「教 員 冥 利 と 責 任 」
井上 友子
今年9月までの1年間、わたくしはいわば雲隠れ状態にありました。
大学に戻り授業が始まるとその準備に追われ「忙殺」されていました。
仕事の波にのまれ、周囲の動きについて行くことに戸惑っていた
わたくしを見た仲間の教員は「浦島太郎だね」と言っていました。
その矢先、毎日のようにわたくしの研究室に学生がぽつぽつやってきます。
「先生が帰るのを待っていました」。
かれらはにこにこしてそのように言うのです。
その思いもかけない言葉に、わたくしは涙が出るほどうれしかったのです。
中には「作品を見て下さい」という学生もいて早速彼のアトリエに出向くと、
「これ、先生の授業で聴いた話がもとになっているんですよ」と
説明してくれました。
この言葉を聞いた時、わたくしたち教員の発する言葉に
どれほどの学生が喜び、感化され、刺激を受け、落ち込み、怒り、涙するのかを考えました。
大学に戻り授業が始まるとその準備に追われ「忙殺」されていました。
仕事の波にのまれ、周囲の動きについて行くことに戸惑っていた
わたくしを見た仲間の教員は「浦島太郎だね」と言っていました。
その矢先、毎日のようにわたくしの研究室に学生がぽつぽつやってきます。
「先生が帰るのを待っていました」。
かれらはにこにこしてそのように言うのです。
その思いもかけない言葉に、わたくしは涙が出るほどうれしかったのです。
中には「作品を見て下さい」という学生もいて早速彼のアトリエに出向くと、
「これ、先生の授業で聴いた話がもとになっているんですよ」と
説明してくれました。
この言葉を聞いた時、わたくしたち教員の発する言葉に
どれほどの学生が喜び、感化され、刺激を受け、落ち込み、怒り、涙するのかを考えました。
プロフィール
九州産業大学 芸術学部 美術学科 准教授
博士(芸術学)
筑波大学卒業 専門領域:19世紀末のイギリス芸術